双機能性キレート剤は、標的特異的な金属放射性医薬品を構築するために用いられる錯体試薬です。双機能性リガンドは、リガンドを標的部位に共有結合させる2番目の機能も有しています。
双機能性キレート剤は、標的特異的な金属放射性医薬品を構築するために用いられる錯体試薬です。標的させる放射性医薬品は、放射性核種、双機能性キレート剤、標的となる分子の3つの主要な要素から構成されます。双機能性キレート剤はキレート剤である以外に、リガンドを標的部位に共有結合させる2番目の機能も有しています。これらの官能基は、一般に求電子的な部位を持ち、穏和な条件下で標的ベクターの求核的なアミノ基やチオール基と選択的に反応します。放射性医薬品の薬物動態を調節するために、双機能性リガンドと標的ベクターの間にリンカーを用いることもあります。このリンカーとして、脂質親和性を向上するための炭化水素鎖、酵素によって切断可能なオリゴペプチド鎖、あるいはポリエチレングリコールを用いることができます。最も汎用されている双機能性キレート剤として、DTPAのbisanhydride体が挙げられます。キレート剤のNHSエステルは最も一般的な双機能性キレート剤で、アミノ基と選択的に反応します。DOTA-NHSなどの活性エステルの形成には、HBTU、HATU、DCCなどのカップリング試薬が用いられています。汎用されているもう1つのクラスの双機能性キレート剤は、活性部分としてbenzyl isothiocyanate基を有するものです。P-isothiocyanatobenzyl DOTAとp-isothiocyanatobenzyl DTPAはDOTAおよびDTPAの誘導体のうち、最も用いられているものです。様々な場合に応じて、双機能性リガンドを選択することができます。錯体の安定性が最も重要な場合、放射性核種の性質が決定要素となります。鎖状キレート剤の金属錯体は薬物導体的に非常に不安定である一方、マクロ環状のキレート剤は非常に安定という性質があります。したがって、診断に用いる場合、放射性核種が数時間のうちに体内から排出される必要があるため、鎖状の双機能性キレート剤が望ましいといえます。しかし、治療目的の場合、放射性核種は数日間体内にとどまる必要があるため、マクロ環状の双機能性キレート剤が適しているといえます。
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