DOTA(1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acid)は、多くの金属イオンに対して効果的なキレート剤です。ガドリニウム錯体はMRI造影剤として、双機能性のDOTA誘導体は標的放射性医薬品として用いられています。
DOTA(1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acid)は、多くの金属イオンに対して効果的なキレート剤であり、カルシウム、ストロンチウム、銅、亜鉛、マンガン、イットリウム、ガドリニウム、ユーロピウム、テルビウム、ルテチウム、サマリウム、ツリウム、アクチニウムなどに用いられます。DOTAはクロロ酢酸あるいはブロモ酢酸によりcyclenをアルキル化することで合成されます。DOTAは特にランタノイドと熱力学的・動力学的に非常に安定な錯体を形成します。ランタノイド錯体(ランタノイドは La, Pr, Nd, Sm, Eu, Yb, Tb, Ho, Dy, Er, Tm, Lu)のNMR研究から、水溶液中において軽いランタノイドのメジャーな異性体の構造は重いランタノイドのマイナーな異性体の構造に一致することが分かっています。DOTAのガドリニウム錯体はMRI造影剤として用いられています。マイナーな異性体は水分子交換速度が速いため、ガドリニウム錯体のマイナー異性体は高い水緩和度を有しています。DOTAはイットリウム-90やランタノイドの放射性同位体による放射性免疫療法にもっとも適したキレート剤です。DOTAは生体内においてイットリウムと非常に安定に結合し、DTPAよりも優れていると報告されています。DOTA-tris(tert-butyl ester)は固相ペプチド合成によりDOTAユニットをペプチドに結合させるために汎用されています。
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